昨年度の主屋外壁の塗り替えに続き、歴史的建造物整備支援事業の二年次である茅葺き屋根の葺き替え工事が2024年9月中旬に終了しました。

前回の葺き替えが、2015-2016年でしたので、8年ぶりの工事となりました。工事によりカフェ営業ができなくなるのでその期間を最短にしていただきたく職人さんに無理をお願いし、前回までは2年間(各3ヶ月程度)かけて、前半分・後半分に分けて葺き替えていたところ、今回は2ヶ月半(足場作りを含めると3ヶ月半)ですべてを葺き替えていただきました。昔ながらの木の足場が組まれましたが、そういった要望に応えていただくため上の段に茅置き場や作業スペースが広く取られた要塞のような足場で取り囲まれました。


使用している茅は、富士山の裾野・御殿場から持ってきたもので、4トントラック4台分くらいになります。茅は全部交換するのではなく、80~90センチの厚さの上半分くらいを新しい茅に差し替え、雁木と呼ばれる道具で屋根の表面を叩いて凹凸をならした後に、屋根の外と中を縄でしばって固定していきます。


職人さんは、前回もお願いしました長岡市の職人さんで、親方の大谷内寿彦さん、宮城県からサポートに来られた小林功さん、一番の若手の小柴安隆さん、合計3名の職人さんに全作業をしていただきました。


昨年の水不足や猛暑日の多さに比べると、今年は猛暑日の日数も少なく降雨も多い7~8月ではあったものの、日陰の無い足場の上なので炎天下での作業となり職人の皆様には大変な作業をしていただいたことになりました。
写真のように丸太で固定されていますが、最終的には丸太も取り外され、表面も端面も煙出し口もきれいに揃えられ、新しい茅色の美しい屋根が完成しました。


11月に行われる秋の一般公開では、きれいに整えられた茅葺き屋根を是非ご覧ください。